予防歯科

予防歯科とは、むし歯や歯周病にならないよう予防するための対処を行う歯科のことです。
歯科医院は痛くなってから行く所というイメージが強いかもしれませんが、そうではありません。
どんな病気でも早期発見や予防が重要なのは、口の中にも当てはまることです。

口の中はとても複雑な形をしているため、日頃から入念に歯磨きをしていても磨き残しが出てしまいます。
食べかすや歯垢は細菌の繁殖地になり、歯垢が固まって歯石になってしまうと、歯磨きでは落とすことはできません。
むし歯や歯周病の原因となってしまうことに加え、口の中をケアする習慣を取り入れないと治療しても再発することもあります。

予防歯科を活用することで、磨き残しを除去するだけでなく、その都度口の中の状態をチェックすることができます。
むし歯や歯周病が見つかっても早期に治療することが可能です。

むし歯や歯周病になりやすいかどうかは、お口の環境によって異なります。

●口の中の細菌の種類や量
●食事の頻度や種類
●歯垢（プラーク）の蓄積量
●唾液の質や量
●フッ素の使用状況
●過去のむし歯の数　など

お一人おひとりの口内環境に合わせた予防や対策をご提案いたします。

むし歯予防のために

●フッ素塗布

フッ素とは、歯質を強くする自然元素の一つです。
歯の表面からフッ素を取り込むことで、酸に溶けにくく抵抗力のある歯が作られます。
また、再石灰化（歯の修復）作用を促進するため、初期むし歯であれば症状が改善することもあります。

フッ素にはこんな作用があります

●シーラント

奥歯にはよく見ると溝がありますが、この溝に食べかすや歯垢が溜まるために、むし歯が発生することも多くあります。
その溝を歯科用の合成樹脂で埋めることによってむし歯を予防するのがシーラントという方法です。
シーラント材にはフッ素が含まれているため、歯の再石灰化とともに強化を促すことができます。

●レーザーによる歯質強化

当院で導入している歯科用レーザーを使用することで、歯の耐酸性を向上させることが可能です。
歯はむし歯菌が出す酸によって溶かされてしまうのですが、その酸に対する耐性を高めます。

歯周病予防のために

●SRP（スケーリング＆ルートプレーニング）

歯周ポケット内部の汚れは歯磨きで除去することが難しいため、歯科医院で道具を使って汚れを取り除く必要があります。
歯に付着している歯垢や歯石を除去することをスケーリングといいます。
そして、細菌に感染した歯根の表面を取り除き、磨いて表面をツルツルにすることで細菌の付きにくい状態にするのがルートプレーニングです。
当院では歯科衛生士によるSRPを行い、口内環境をクリーンに保持することをおすすめしております。
歯石を除去しても、磨き残しが多いとまたすぐに付着してしまいます。日頃のブラッシングに加え、歯科医院で定期的に歯石除去などのクリーニングを受けることも、歯の健康のために必要です。

●PMTC

歯磨きでは取り除くことが難しい歯の汚れや細菌の巣を、歯科衛生士が専門的な器械を用いて取り除く歯のクリーニングのことです。
むし歯や歯周病の予防や改善、歯質の強化とともに、歯の着色を除去し見た目にもきれいな歯を保つ、などの作用があります。

PMTCの作用

PMTCは、バイオフィルムを壊す働きをします。
バイオフィルムとは、むし歯や歯周病の原因となる細菌が集まり、歯の表面にできた膜のことです。